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				2009.06.30
				〈一茶の俳句365〉蕗の葉にとんで引っくりかへるかな 一茶
				 
	    きりえタイトル「蕗の葉」 大きな葉が茂る。たちまち大きく茂る。蛙もやってくる。大きな葉の上だからたまに引っくりかえるカエルもいるだろう。
  蕗の葉に片足かけて鳴蛙   一茶 蕗の葉を引かぶりつゝ鳴蛙  一茶
  
				2009.06.29
				〈一茶の俳句365〉飛ぶことなかれ汲むことなかれ山清水 一茶
				 
	    きりえタイトル「さぎ草」 澄んだ水辺に咲くさぎ草。川に金魚藻が育つ栃木河内町谷川。水辺にさぎ草が咲いた時代があったのか、町の花はさぎ草だ。
  
				2009.06.28
				〈一茶の俳句365〉朝ゝや花の卯月のほととぎす  一茶
				 
	    きりえタイトル「山の白い花小紋」 山肌に白い小紋を見つける。近づいて見ると山ぼうし。山中の花の方が、肉厚に見える。空気が良いから?日ざしが澄んでるから?
  
				2009.06.27
				〈一茶の俳句365〉あちこちの声にまごつく蛍哉  一茶
				 
	    きりえタイトル 「水辺に点るホタル」 水ぎわに下りて行ける水辺があって、そこにホタルが点る。こっちの水は甘いよ、そっちの水はにがいよ、手を打ち呼ぶ。もうどこにも行かせないためにも、せっせと追いかけまわすことも良いかもしれない。放りっぱなしじゃ、張り合いがないだろうから。
  
				2009.06.26
				〈一茶の俳句〉おゝそうじゃ逃げるがかちぞやよ蛍  一茶
				 
	    きりえタイトル「ホタルにあえた」 草ぼうきを手に、ホタル狩りをした。今は、会えただけで幸せ。狩りをして家に連れて帰ろうなど、もってほか。 
  
				2009.06.25
				〈一茶の俳句365〉足元へいつ来りしよかたつぶり  一茶
				 
	    きりえタイトル「るり色カナブン」 足元の草にかたつむりを見つけた。雨上がりの野では、誰もが生き生きしている。ネギぼうずから、るり色カナブンが飛び去った。
  
				2009.06.24
				〈一茶の俳句365〉ここへ来よと云わぬばかりや藤の花 一茶
				 
	    きりえタイトル「藤むらさき」 思いがけない山の湖で藤の花に出会う。里では、花の季節が終わっている。藤の花前線は、里から山へ頂きへのぼっていく。
  
				2009.06.23
				〈一茶の俳句365〉そよそよと世直し風やとぶ蛍  一茶
				 
	    きりえタイトル 「どこにも行かないで」 姿を見せなくなっていたホタルが、街の中にもまたもどってきている。少し人の手伝いも必要だ。ホタルを見つめて、反省することって、まだまだ多い。
  
				2009.06.22
				〈一茶の俳句365〉一本の草さえまねく蛍かな  一茶
				 
	    きりえタイトル「ホタルの共演」  ホタルは、自分で花の中に入ることってあるのかな。中に先客の蜂とハチアワセしたりするのかな。
  
				2009.06.21
				〈一茶の俳句365〉三粒でもそりゃ夕立よ  一茶
				 
	    きりえタイトル「雨ふり花」 ポツリ、ポツリ、ポツリ。夕立だ。あれ、それだけ。雨ふり花は、雨に咲く。
  
				2009.06.20
				〈一茶の俳句365〉行け蛍手のなる方へなる方へ  一茶
				 
	    きりえタイトル「水辺の宇宙」 じっとたたずんで、宇宙の旅をする。
  
				2009.06.19
				〈一茶の俳句365〉桐の木の悠々然とわか葉かな  一茶
				 
	    きりえタイトル「大きな桐葉」 薄むらさきの花をビロードの風合いで好きになったのは、二十歳を過ぎてからだった。それまでは、どうしても地味さに抵抗感をもった。今は、趣味の佳い配色をなさった神さまに会いたいとさえ思う。
  
				2009.06.18
				〈一茶の俳句365〉蜂とまれも一度留れ草もちに  一茶
				 
	    きりえタイトル「ワンパクもネギも坊主だね」 遊び仲間のようにつついてみたり。蝶も来るしカナブンも来る。
  
				2009.06.17
				〈一茶の俳句365〉出る枝は伐らるゝ垣のわか葉かな  一茶
				 
	    きりえタイトル「柿若葉」 鈴成りの柿の花。それを守るように柿若葉がつやつや伸びる。この頃の葉は、天ぷらにしてもおいしい。
  
				2009.06.16
				〈一茶の俳句365〉むづかしや桐の一葉の吹かれよう  一茶
				 
	    きりえタイトル「桐の花」 蜂がいそがしく花をのぞく。千曲川べりにも桐の花が咲いている。娘の誕生日に、嫁入り用のたんすに備えて桐を植える習しがあった。この桐の木は、いつたんすになるんだろう。
  
				2009.06.15
				〈一茶の俳句365〉煙して葱畠の長閑さよ  一茶
				 
	    きりえタイトル「ネギぼうず」 とんがっていたネギの先が、まん丸くなって咲く。このネギぼうずから採れた種を蒔いていてんだろうか。下仁田ネギを畑一面作り、喜んで食べてもらうことが、晩年母の生きがいだった。
  
				2009.06.14
				〈一茶の俳句365〉六月にろくな夜もなく終わりけり  一茶
				 
	    きりえタイトル「日記の日」 ろくな夜もなく、と口で言いながら、一茶は句はいくつも詠んでいる。 日記をつけて六月まで続くと、毎日に自信がついてくる。さあ、明日にまた期待をするゾ。
  
				2009.06.13
				〈一茶の俳句365〉かきつばたよりあの虹は起りけん  一茶
				 
	    きりえタイトル「雨やがて虹」 生家の庭には、何種類ものあやめが咲いた。祖母は、まっ白な花やうす水色の花を惜しげもなく切ってあげた。花になったら、切った方が花のためだったのだろうか。毎年穏当にたくさんの花が咲いた。長野へ出た私にまでも、新聞紙に包んだあやめは届いた。父が会議出席で来長する車に預けたのだ。代が変わり、その花は終った。
  
				2009.06.10
				〈一茶の俳句365〉行くな鳥きれいな羽鳥の生える迄  一茶
				 
	    きりえタイトル「カワセミ」
  
				2009.06.09
				〈一茶の俳句365〉熊蜂も軒端を知って帰りけり  一茶
				 
	    きりえタイトル「蜂が飛ぶ」 藤は、春の季語となっている。お田植の頃に、庭に白い藤が咲いていて、大きなクマンバチが、ブンブンと羽音を立てていた。音つきの風景だ。
  
				2009.06.08
				〈一茶の俳句365〉藤咲くや順礼の声鳥の声  一茶
				 
	    きりえタイトル「藤の花」 一茶の句には、よく順礼が登場する。この時代は、今より仏教への信心が厚かったと思われる。
  
				2009.06.07
				アスパックが無事終了。
				 
	    長野で開催されたアスパックのビジュアルとして、きりえで「6月の風」を創らせていただきました。ポスターから、バナーなど、長野市内はこの絵が至る所に登場。会期中雨も降らず、新緑の薫る良い日和になりました。娘ノアは、JCのメンバーとして、リズムをおんぶして参加。お弁当を渡したり、通訳をしたり、母は強しを身を以て発揮したようです。インドの参加ゲストが、日本のベビーを珍しがって、ビデオに撮ったよ、と言っていました。 その『6月の風」には、今回のテーマである「OMOIYARI」と言う、日本の心使いが表現されています。それが絵本になりました。短期間でまとめることになり、まだ完全な出来上がりとは言えませんでしたが、昨日6日には、多くの参加者に配られました。 これを機に「OMOIYARI」は、世界共通語に育っていくでしょう。鳥越俊太郎さんは、今はやりのKYー空気が読めないから、OM-思いやりへ、流行語を変化させましょうよ、と鎌田實先生との対談を締めくくられました。大賛成です。
  
				2009.06.06
				〈一茶の俳句365〉草も木も源氏の風やとぶ蛍  一茶
				 
	    きりえタイトル「蛍ぶくろ」 この花やネギにホタルをとじこめた。ぼんやりと光る。ゲンジボタルの輝きは、暗い夜に、本当に大きく見えた。
  
				2009.06.05
				〈一茶の俳句365〉鶯にすこし夏めく軒の霞  一茶
				 
	    きりえタイトル「ぐみ」 梅雨の頃、庭木のぐみが赤く熟れる。ぐみやゆすらうめの実を、どんなに待ち焦がれて味わったか。自分の家の木の熟れ時を知り、隣近所の木の様子にも、区別なく気を配っていた。子どもの食べる赤い実で、群れている子どもも鳥も同じ仲間だった。 柏餅を届けたお駄賃に、子どもの特権でぐみをいただいたものだ。
  
				2009.06.04
				〈一茶の俳句365〉ものしりの真似して籠る夏心  一茶
				 
	    きりえタイトル「わすれな草」 水辺に咲くるり色の花。江戸時代にはまだ日本に入っていなかった花。カタツムリのように巻いていて、順に先へと咲いていくので、夏心がこもっていそうな気がする。花の色が似ているホタルカズラは、一茶の時代に、咲いていたのだろうか。
  
				2009.06.03
				〈一茶の俳句365〉わざゝに蝶も来て舞う夏花かな  一茶
				 
	    きりえタイトル「てっせんの花」 風車と呼ばれる花の種類もあるように、見ごたえのあるさわやかなてっせん。 夏花とは、夏安居とか雨安居とも言われる僧に課せられる行の制度があり、その時期に仏に毎日供える花のこと。この時期に咲く花として、てっせんに夏花の句を添えた。
  
				2009.06.02
				〈一茶の俳句365〉見るうちに日のさしにけり花しょうぶ 一茶
				 
	    きりえタイトル「あやめの季節」 端午の節句が月遅れで行われるには訳があった。飾るしょうぶや、供える柏餅の葉が伸びていない実情だ。ようやく、葉が出揃って、祭りの段取りになっていく。柏餅の句は無くて、ちまきの句が多く残っている。一茶の在所は、ちまきを供えたようだ。 がさゝと粽をかじる美人かな  一茶 十ばかり笹にならせる粽かな  一茶
  
				2009.06.01
				〈一茶の俳句365〉鷹それし木のつんとして月夜かな  一茶
				 
	    きりえタイトル「ノスリ」 千曲川の河川敷でノスリがヒナを育てていると、新聞が報じている。私のアトリエの窓から、東に位置する旧家の欅に鳥の巣が見える。ノスリの巣のようにシルエットから予想して楽しみに見ていた。そのうち大き過ぎて家に支障があったのか、枝が切りつめられてしまった。
  
		  
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