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				2009.05.31
				〈一茶の俳句365〉草花の仕廻いは五月晴れにけり   一茶
				 
	    きりえタイトル 「咲いて五月をしまう」 あすからは衣更え。やまぼうしは、雨があたらないでいてくれると永く咲く。この花とはじめての出会いは、一枝を一輪刺しに飾るようにいただいたとこだった。今は、中庭にその木がある。光が射し込むように、この時期にどうしても枝を落とすことになっている。床の間に一輪を飾ると、はじめての新鮮な出会いを、毎年思い出す。
  
				2009.05.30
				〈一茶の俳句365〉我門を山から見たる幟かな  一茶
				 
	    きりえタイトル「飾ったよ」 飾った鯉幟を遠くから見た一句。私も息子のために大さわぎをして飾った。竹竿を入手し、庭の一隔にしばりつけた。近所に同じ歳の男のお子さんが何人もいたので、うちの鯉幟は、皆の分も担って泳いだ。
  
				2009.05.29
				〈一茶の俳句365〉福もふく大根花のぼたんかな  一茶
				 
	    きりえタイトル「旧家に咲くぼたん」 家の丹羽にお地蔵さんを祀っている青木家。川中島合戦の行われていた時代の歴史がしのばれる。そのお地蔵さんに奉納するかのように、大輪のぼたんが毎年咲く。
  
				2009.05.28
				〈一茶の俳句365〉むら雀麦わら笛におどる也  一茶
				 
	    きりえタイトル「麦青を透かして」 善光寺平の中でも、川中島では、雨の少ない気候が小麦栽培に適していた。二毛作として多くの小麦が採れていた。それがうどんに適している伊賀筑後オレゴン種。収量が少ないため、最近は幻の小麦粉になった。代わりに「更級のめぐみ」がうどん用に発売になる。辛味大根でいただく「おしぼりうどん」を、いつか私も手打ちしてみたい。
  
				2009.05.27
				〈一茶の俳句365〉泥道やここを歩めと草青む  一茶
				 
	    きりえタイトル「しろつめ草に遊ぶ」 人が踏むのを待つかのように、道端に咲くしろつめ。ほっとする日常の花。
  
				2009.05.26
				〈一茶の俳句365〉人に風花は申すに及ばぬぞ  一茶
				 
	    きりえタイトル「山くわ」 四枚の花びらに見える総苞。その中にある緑黄色の小さな球が花。山くわと呼ばれているように、花はやがて赤いぐみに実る。山ぼうしのジャムを煮たいと思うが、夏にシバムシがつくので、どうしても消毒をしなければならず、まだ実現していない。去年は大豊作だったので、今年は少ないかもしれない。
  
				2009.05.25
				〈一茶の俳句365〉煤わらの古家のぼたん咲にけり  一茶
				 
	    きりえタイトル「ぼたん咲く庭」 花の中でも一番豪華な花のひとつがぼたん。大輪の花は、古風な日本家屋によく似合う。
  
				2009.05.24
				〈一茶の俳句365〉たのしみの一汗入る木かげかな  一茶
				 
	    きりえタイトル「白い花だよ」 やまぼうしの木かげでひと休みしたら、花は全く見えなかった。やまぼうしの花は、二階の窓から眺めるのが良い。
  
				2009.05.23
				〈一茶の俳句365〉赤い実は鳥も目につくかきねかな 一茶
				 
	    きりえタイトル「木いちご」 目白が木いちごの赤い実の枝で、目白押し。
  
				2009.05.22
				〈一茶の俳句365〉草の花人の上には鐘がなる  一茶
				 
	    きりえタイトル「すずらん」 鐘というより鈴の音が、この花からはいつも聞こえてくる。
  
				2009.05.21
				〈一茶の俳句365〉時鳥鳴く空待ちし在所かな  一茶
				 
	    きりえタイトル「何羽いるのかな」 見上げる芽吹きの樹に鳥が群れている。俳句、詩歌に多く詠まれている鳥で他にも印象深い句を見つけた。 吉の吉上吉日ぞほとゝぎす 一茶
  
				2009.05.20
				〈一茶の俳句365〉江戸住みや二階の窓の初のぼり  一茶
				 
	    きりえタイトル「風に泳ぐ」 一茶が詠んだ幟は、武者絵だったのか。江戸の頃から鯉幟は、男の子の出産祝いを、世間に知らせる意味で、大空に泳がせた。この風景を見ると、家族円満が伝わってくる。
  
				2009.05.19
				〈一茶の俳句365〉草の葉にかくれんぼする蛙かな  一茶
				 
	    きりえタイトル「くまがい草」 あつもり草と似ているが、こちらは葉が大きい。いまや貴重な和蘭。
  
				2009.05.18
				〈一茶の俳句365〉子どもらが反閉するから葉陰  一茶
				 
	    きりえタイトル「のびろの花」 もぐらの子蛙の子、動き出せ目を覚ませ、ホーヨホヨヨ、ホーヨホヨヨ 春が呼んでるよ    これが、私たちの子ども時代の愛唱歌の二番。
  
				2009.05.17
				〈一茶の俳句365〉ある時は沢山さうにわか葉かな  一茶
				 
	    きりえタイトル「ズームアップ」 わさびの花をズームアップして見る。ウェディングドレスに似合いそうだ。緑に名残りを残している白い花。色の花あ、それはそれ美しいが、葉に同化しそうでいて、花の形になるにつれ白さを増す花を、私は美しいと思う。蓮やクリスマスローズにも同じ色合いの花がある。緑やがて白の花たちだ。
  
				2009.05.16
				〈一茶の俳句365〉どちらから鋏をあてんわか葉かな  一茶
				 
	    きりえタイトル「わさび」 澄んだ水に育つわさび。ほんの少々の砂糖を添えてサメ皮ですりおろすと、その風味は、やはり粉やちゅうぶとは比較にならない。香るし、ツーんとよく効く。
  
				2009.05.15
				(一茶の俳句365)わか葉して中ぶらりんの曇りかな  一茶
				 
	    きりえタイトル「一人静」 白い花茎が、その名にふさわしくそっとたたずんでいる。出会えたら、静かになどしていられない。連れに大声で喜びを伝えてしまった。見てよ、見てよ。
  
				2009.05.14
				〈一茶の俳句365〉山はわか葉人は身軽き比にかな  一茶
				 
	    きりえタイトル「わさびの花」 春から初夏へ季節が移っていく。わさび田には花が咲き、その花も、わさびらしく辛味を発揮して食卓にのぼる。
  
				2009.05.13
				〈一茶の俳句365〉初蝶もやっぱり白い出立かな   一茶
				 
	    きりえタイトル「あしたの相談」 何かを相談しているようなカタクリの花。蝶が次々やってくる。じゃまをしないで、じっと見守る。 飯山の信濃百年でいただいたカタクリの花。風土のことをちゃんと考えてくれる人の下でなら、こうした春のぜいたくも、自分に許した。いくら群生しているのを見ても、自分では決して摘むことはできない。
  
				2009.05.12
				〈一茶の俳句365〉這え笑え二ツになるぞけさからは 一茶
				 
	    きりえタイトル「母の日」 5月の第二週の日曜日、母の日。一茶は生母との縁は薄かった。子どもへの愛の句はいくつかある。でも、この時代ゆえ、次々と子どもを幼くして亡くす。 片乳を握りながらはつ笑い    一茶 みどり子や御箸いただくけさの春 一茶
  
				2009.05.11
				〈一茶の俳句365〉何事もなくて花見る春もがな  一茶
				 
	    きりえタイトル「カタクリ抒情」 雪が解けた野辺に、今年もうつむいてカタクリが咲くのを確かめる。一茶の句による花は、さくらのことだが、他の花に置きかえても、花への心情は重なる。
  
				2009.05.10
				〈一茶の俳句365〉あれ花がゝと笑い仏かな  一茶
				 
	    きりえタイトル「おきな草」 花をのぞくと濃紅の花。咲き終わると、白髪のように長く伸びて果実をたくさん実らせる。
  
				2009.05.09
				〈一茶の俳句365〉ことの葉も夭々たらん花衣  一茶
				 
	    きりえタイトル「泰山木の花」 一年中つやつやした葉で玄関に堂々とした緑を提供している。花は純白で大きい。神戸の街路樹が泰山木だった。震災の跡、この樹も復活していて欲しい。
  
				2009.05.08
				〈一茶の俳句365〉山蜂もしたうて住むや人の里  一茶
				 
	    きりえタイトル「りんご郷」 車で走っていたら、りんご花咲く里に出た。そういえば、この一帯のりんごは格別味がよいと聞いたことがあった。しばらく走ると見慣れた望月だった。桃の花ではなかったが、いまも桃源郷のように思う大切な風景のひとつ。津金寺というお寺があった。
  
				2009.05.07
				〈一茶の俳句365〉御仏の坐し給う程草青む  一茶
				 
	    きりえタイトル「草野原」 しろつめ草が子どもたちを迎える。入って遊んでいいよ、と。 よもぎは餅草と呼んでいた。べいせんうらと呼んだ選外米で草餅を作ることが多かった。せっかくおいしい餡を入れてもおいしくなかった。中の餡だけ食べて、周りの餅を食べ残した。もちろん祖母に見つからないように捨てた。
  
				2009.05.06
				〈一茶の俳句365〉咲く花に迹の祭りの木陰哉  一茶
				 
	    きりえタイトル「こいのぼり泳ぐ空」 これから月遅れの六月はじめまで、空にこいのぼりが泳ぐ。長野オリンピックの招致活動では、女性有志に呼びかけて、こいのぼりコミッティを組織し、世界の空に長野の願いを揚げた。さまざまな想い出がこいのぼりにはある。
  
				2009.05.05
				〈一茶の俳句365〉湯上りの尻にべったりせうぶ哉  一茶
				 
	    きりえタイトル「端午の節句」 子どもの日。今夜はお節句で、お風呂にしょうぶとよもぎの葉を入れた。しょうぶをおへそに当てて、ゆびでビューンビューンと音を立てた。ムシをおさえるからと。あやめの葉とは、臭いが全く違った。一茶も入ったしょうぶ湯だ。ズクを惜しまず今年は、私も継承しよう。
  
				2009.05.04
				〈一茶の俳句365〉子ども等に腹こなさする雀かな  一茶
				 
	    きりえタイトル「かくれんぼ」 長野市郊外は、りんごの花が大地一面を埋め尽くして咲き広がる。幹が太い古木も、低く低く育てられる。はじめから矮化で育てられる樹と比べると、古木には個性がある。 りんごの樹は、本来は景観づくりに欲しい樹形で伸びる木だ。ヨーロッパの田園には自然体の樹が多い。その樹に登ってかくれんぼができるような、風景になるりんごの樹を思い描いた唄がある。C・Wニコルさんの「りんごの樹にかくれんぼ」だ。私の生家の剪裁には登って遊べる一本のりんごの樹があった。実をおいしく食べた思い出は無い。
  
				2009.05.03
				〈一茶の俳句365〉花びらの埃流にふる雨か  一茶
				 
	    きりえタイトル「咲きはじめた花」 春の雨が花をぬらす。天気雨でまた花
  
				2009.05.02
				〈一茶の俳句365〉よい程の道のしめりや朝霞  一茶
				 
	    きりえタイトル「りんごの花トンネル」 花の咲く小径を歩く。花トンネルを抜けたら、街が見えてきた。
  
				2009.05.01
				〈一茶の俳句365〉咲く花の日の目を見るも何年目  一茶
				 
	    きりえタイトル「りんごの花が咲いた」 寒中によく剪定された樹に枝が伸びて花が咲く。樹の下にたんぽぽや菜の花が咲くと、その風景はい一層鮮やか。
  
		  
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