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2009年01月のお知らせ・コラム

2009.01.31

(一茶の俳句365)とうふ屋と酒屋の間を冬籠  一茶

きりえタイトル「凍みどうふ」
浅科村の矢島では、潔良い凍みを活かして凍みどうふ造りが続けられている。凍ってワラで編んで家に届けられる。軒先に下げて陰干しし、保存食にもした。高校時代の私や弟のお弁当は、この凍みどうふや鶏肉、ねぎ、にんじんなどのいため煮を卵でくるんだオムレツが毎日入っていた。味が良くしみている凍みどうふが以来私の好物になった。今は、凍ったまま届く、小分けして冷蔵庫で保存しながらいただいている。

2009.01.30

(一茶の俳句365)紅葉も丸め込んだり雪丸め  一茶

きりえタイトル「雪だるま」
雪に遊ぶ子どもの声が聞こえてくる。うす暗くなる時間なのに、まだ家に入ろうとしない。防水のスキーウェアーにスキー用の手ぶくろ、防寒ぐつで身づくろいが万全なのだ。昔は、毛糸の手ぶくろなので、それが濡れたら、こたつへ暖まりにもどって乾かした。半日がかりで踏み固めた雪の小山は、何日でも解けない冬の風景。

2009.01.29

(一茶の俳句365)竹のついゝ天にさわらぬ気どりかな 一茶

きりえタイトル「弾み雪」
大雪に頭を下げていた竹。太陽の光を受けて、指伸びした。雪が弾む朝。

2009.01.28

(一茶の俳句365)鳥の羽のひさしにさわる寒さかな  一茶

きりえタイトル「白い息」
吐く息が凍るように寒い朝。鼻の中もトゲトゲする。そんな朝でも、水鳥は泳ぐ、もぐる。にぎやかに遊ぶ。

2009.01.27

(一茶の俳句365)雪ちらゝ一天に雲なかりけり  一茶

きりえタイトル「寒の花」
スキー場のにぎわいの奥深くに、静かに花を待つ山が眠っている。雪を抱いて春に備える大地がある。

2009.01.26

日本橋展

昨日から、日本橋展がはじまりました。三越日本橋展のライオン像からお電話いただけたら、すぐにお迎えに出ます。3分のギャラリーです。03−3241−4998。
1昨年は前年暮れからお正月の三が日日本橋の高島屋さん、その後銀座のTOGISYAさんで開催。2年ぶりの東京です。おでかけください。
オープニングに小川の庄のおやきと飯山の野沢菜を持ってきました。信州出身の方、信州ファンの方が多く、大好評。ありがとうございました。
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(一茶の俳句365)御年始の返事をするや二階から  一茶
きりえタイトル「箱階段の神様」
箱階段の上は暗い二階だった。古文書と夜具やお膳など物置きだった。いたずらをすると、そこへ上げられるお仕置きのコワイ場所。祖母が嫁いだ頃は、明治後期、そこは上州からの農作業助っ人の寝所だったそうだ。やがて、半分が改築され、二つの子供室になった。

2009.01.25

(一茶の俳句365)雪ちるやしかもしなのゝおく信濃  一茶

きりえタイトル「雪の響き」
雪の奥信濃では、寒椿が咲く日を待っている。風の響きに乗って、昔語りが聞こえてくる。スキー場では、まっ暗な夜空にリフトの灯りが浮かび上がる。銀河鉄道の駅には、今夜は誰が降り立つのかな。

2009.01.24

(一茶の俳句365)わか草ののうゝとする葉ぶりかな  一茶

きりえタイトル「花を飾る」
家の中に暖房がゆきわたり、観葉植物は居ごこち良さそうだ。飾る花は、冬だというのに日持ちが良くない。

2009.01.23

(一茶の俳句365)はつ初をはやしこそすれ雀まで  一茶

きりえタイトル「川原で」
枯ヨシには、寒風の日にも鳥がくる。ちゃんと食べているの、と問いかけたくなった。

2009.01.22

(一茶の俳句365)うす墨のような色でも初空ぞ  一茶

きりえタイトル「オオタカの舞う空」
開発に待ったをかけるオオタカ。ドジョウのすむ田んぼが減り、トキはついに日本の空から姿を消した。その反省を繰り返さないためにも、私たちはいつも空の鳥を見ていたい。

2009.01.21

(一茶の俳句365)門ゝの下駄の泥より春立ちぬ  一茶

きりえタイトル「庭の神様」
里山は、そこに住むみんなの庭。里山が復活するような取組みが各地ではじまっている。セミやカブトムシは、里山が生き返れば、また子ども達の仲間にもどってくる。デパートや土場では、絶対に命が生まれないことを知ってほしい。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今日は、日本橋西ロータリークラブの例会で卓話をさせていただきました。朝からオバマ大統領のCHANGEを聞き、感動していた日だったので、結局2000年10月15日の長野CHANGEに触れたくなってしまったのですが、時間は30分しかないので、簡潔にきりえが44年になることを話し、そうしてこだわってきたきりえを、日本橋のいしだギャラリーへ観においでいただきたいとしめくくりました。
信州にゆかりの方も多く、良い出会いをいただいたことで、ことしの展覧会のスタートが切れます。1昨年は、日本橋の高島屋、その前年は、平河町の全国市長会館で1月中作品展示をしていたんだ、と改めて思い出しました。
私は25日から31日まで、ずっと日本橋に滞在します。ぜひ、おでかけください。
「ぞっこん信州」の後編と考え、ソラシドとしました。

2009.01.20

(一茶の俳句365)合点して居ても寒いぞ貧しいぞ  一茶

きりえタイトル「波間に憩う」
水鳥は泳ぐことで幸せ。澄んだ水を源泉から先に使える上流は、それを極力汚すことなく下流へ渡す責任がある。その約束を、水鳥は人に告げたいのかもしれない。

2009.01.19

(一茶の俳句365)一桶をわか水わか湯わか茶かな  一茶

きりえタイトル「水の神様」
井戸の時代には、わか水に実感があった。今は水道から自由に水が届く。わか水の印象は弱い。しかも、このごろでは、飲み水は冷蔵庫でペットボトルに入っている。
おいしい水探しが最近の幸せ探しでもある。小布施淨光寺の薬師水は、毎日水を涌む人が止だえない。六百年になろうとしている薬師堂がひっそりと石壇の先にただずんでいる。それより前から湧き続けている霊泉だ

2009.01.18

(一茶の俳句365)オシドリや人の短気を見ぬふりに  一茶

きりえタイトル「華やぐ羽根」
雪の川辺にオシドリの雄羽根が美しい。

2009.01.17

(一茶の俳句365)百福の始まるふいご始めかな  一茶

きりえタイトル「火の神様」
荒神さまは、かまどの近くに祀られていた。かまどを掃くホウキは、他のゴミなどを掃
くものと区別してあった。ストーブのまわりにだけ「火の神様」の存在がありそうな我が家。電化でガスは卓上だけになってしまった。この句のふいごは、柏原の近く古間で鎌が打たれる時の勢いを思わせてくれる。

2009.01.16

(一茶の俳句365)汝等も福を待つかよ浮寝鳥  一茶

きりえタイトル「お喋り好き」
水鳥は、冬の川でにぎやかに暮らす。暖かく身を包んで眺めていると飽きることが無い。水をはじく羽根の色は美しい。

2009.01.15

(一茶の俳句365)けふもけふものらくら鴛のくらしかな  一茶

きりえタイトル 「いつもいっしょ」 
千曲川にもオシドリは飛来する。
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今日は、上田の祥園ホールで、さくら国際高校主催の教育フォーラム。おかげさまで予定の約90人を超える入場者をお迎えすることができました。
小宮山量平先生は、よくまあ、こんな大変なことをはじめたねえ、とさくら国際の実行に感嘆され、生きる哲学は「遊びやせんとや生まれけり」と良寛さまの言葉を贈ってくれました。下から上に砂が移動する「砂時計」をお持ちになり、ひ孫でさえ、こうした常識を破ったモノを楽しむ。大人もこの感性を忘れないようにしよう、と。
フォーラムでは、なぜ、塩田の地に、さくら国際が降り立ったのかを改めて検証した感もあり、関係者にとっても、充実した時間となりました。塩田の地域が「学ぶ海」と称されてきた意味が、今日は良く理解できました。街の自治会からおいでいただいた大口義明代表、民話研究所の稲垣勇一所長が、ご自分のこどものように、うちの在校生を見守って、育んでくださっているんですね。会場中にそれが伝わりました。
明るくて、情熱のある荒井学園長が、そのすべての根源を導き出していることも間違いの無い事実でした。ああ、いい日でした。

2009.01.14

(一茶の俳句365)春駒や人が真似てもいさましき  一茶

きりえタイトル「廊下の神様」
長い廊下のぞうきんがけは、実行すると気分が良い。木に水がしみ込むにおいがする。

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明日15日に、上田市上田温泉祥園のホールで「地域でこどもを育てる教育フォーラム」を開催します。多くの皆様の応援のおかげをもちまして、さくら国際高等学校が開校4年目を迎えました。塩田の里が、10年間空いていながら、手入れをして守ってこられた旧西塩田小学校をお借りして開校になった高校です。通学生が約100人
在校生は870人を超えました。
今年の上田市長さんが年賀状に、上田市の全体の高校生が集まって意見を聞いた時に、一番活発だった生徒は、さくら国際の生徒達でしたよ。しっかり育ってくれていてうれしかった、と添え書きをくださいました。見守っていただき、ありがたいと新年早々の感動でした。その後、このフォーラムの関係で信毎の記者さんから取材を受けました。そのくだりを話しますと、実はワタシはその現場でそれを見ていました。その通りでしたよ。一番活発でしたよ。ああ、良かった。このように、意図しないまま、その場所にいたかのような感動が、重なっていただけました。
ぜひ、教育は、その地域、社会が大きなまなざしと愛情をもって、見守り、手間を惜しまないで慈しんでいくものであることを、明日のフォーラムで、さらに確認し合いたいと、願っています。大勢の方にお出でいただきたいです。

2009.01.13

(一茶の俳句365)迷い込んだ福大黒と梅の花  一茶

きりえタイトル「紅白梅」
剪定した梅の枝をもらう。家の中に置くと、やがてつぼみがふくらむ。花がひとつずつ開いていく。植物の強さを梅で知る。

2009.01.12

(一茶の俳句365)ウグイスのいな鳴きようも今朝の春                         一茶

きりえタイトル「紅白梅にウグイス」
碓石峠を越えないと、この風景には出会えない。

2009.01.11

(一茶の俳句365)大雪の大い大いとした月夜かな  一茶

きりえタイトル「寒の空」
寒い日ほど空が澄む。空気はキーンと張りつめている。

2009.01.10

(一茶の俳句365)わが春も上々吉よけさの空  一茶

きりえタイトル「大雪の朝に」
オシドリの番いが初春をたのしんでいる。

2009.01.09

(一茶の俳句365)目出度さも中位なりおらが春  一茶

きりえタイトル「押し入れの神様」
家のあちこちに神様がいると思っている新年。押し入れにもきっといる。

2009.01.08

(一茶の俳句365)欲どしくわか水つかう女かな  一茶

きりえタイトル「トイレの神様」
江戸時代には、水は外から汲んで水がめに貯めて使った。貴重だった水。今はトイレでも自由に水が使える。この幸せを改めてありがたいと思う。白くてやわらかい紙。かわいい花のプリントさえある。ウォシュレットまで到達し、更に未来にはあるのか。

2009.01.07

(一茶の俳句365)青い物ない七草もいわいかな  一茶

きりえタイトル「台所の神様」
この時代、雪の里で青い菜をつむことは至難に違いない。
せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろが春の七草。今はスーパーで揃えて売っている。私や娘は、せめて食事を手づくりして、台所の神様にはなっていたい。このごろでは男の料理が一般化してきた。共生の時代は、台所仕事の分担からやってきている。

2009.01.06

(一茶の俳句365)春立つや切口上の門雀  一茶

きりえタイトル「陽光受けて」
雀がふっくらと身をかがめている。千代紙で折るふくら雀に日があたる。

2009.01.05

(一茶の俳句365)へっついの門に置するわかなかな  一茶

きりえタイトル「かまどの神様」
5日くらいになると、もうお雑煮ではない。母はご飯を炊いていた。祖母はかまどをへっついと呼んでいた。その神様は、祖母と母でいなくなった。
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あっという間に、もう5日。あけましておめでとうございます。ことしもよろしくおねがいいたします。
お正月になったら、自分の展覧会のことだけに集中しようと考えて、迎えた元旦でした。薪ストーブを200度に保つことに気を配りながら、作品創りをしました。まだ会心の作はできません。
この嘆かわしい時代を投影しているテレビの画面に向って、文句を言う気力も失せてしまうような余りにも無策の政情です。せめて届かないまでも、意見を言えるところまで
一般の国民事情に合わせた国政に立ち直らせてほしいものです。
1月15日午後1時半から、祥園で「地域でこどもを育てる」と言う教育フォーラムを開催します。ぜひご参加ください。そして現場の私たちに声を聞かせてください。

2009.01.04

(一茶の俳句365)朝不二や屠蘇の銚子の口の先  一茶

きりえタイトル 「お神酒口」      
松本に今も伝わる竹細工。ゆび先の器用な作者にお会いした。たばこ屋さんだった。こうした格式ある暮らしの美は、後継者を得てずっと続けて欲しい。

2009.01.03

(一茶の俳句365)二ッあれば三ッほしやお正月  一茶

きりえタイトル「万両」
千両も万両も、雪がよく似合う。

2009.01.02

(一茶の俳句365)正月も二ッは人のあきるなり  一茶

きりえタイトル「千両」
千両の実が赤い。そこに降る雪は白い。赤と白が揃うと、一層お正月はうれしい。だいたい家中で皆ゴロゴロ。

2009.01.01

(一茶の俳句365)元旦や上々吉の浅黄空  一茶

きりえタイトル「初日の出」
おだやかに元旦が明けていく。地球上に戦争が終結していないからこそ、ここにある平和の永遠を祈る。
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あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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